後を絶たない食品偽装(1)

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 今年に入って、不二家の消費期限の偽装をはじめとして、食品の表示の偽装などが異常なくらい頻発して、消費者の食品の安全に対する信頼を失い、極めて憂慮すべき事態に陥っている。食品製造業者、販売会社の食品の安全・安心に対するモラルが厳しく問われている。
そのような会社で働いている従業員は加害者でもあり被害者でもあるが、その問題の責任をパート従業員などの現場に押しつけ、自分らには問題の責任はないと居直る経営者は即刻退場すべきであり、行政もそのような企業に対しては厳しく調査・指導し、監督を強化すべきである。
またそれを取り締まる法律が省庁間で異なり、専門家からは法制上の不備も指摘されている。
今までに報道された主な食品偽装事件の発生時期とその内容、適用された法律を列挙する。


不二家(本社東京)-2007年1月10日
消費期限偽装1 埼玉工場において、泉佐野工場で製造し埼玉工場に配送されたプリン4種類に、社内基準を1日または2日超える消費期限を表示して、直営店及びフランチャイズ店等に出荷していた。この行為は、埼玉工場において確認された平成17年10月27日から平成18年12月25日までの間、約10万個について行っていた。
消費期限偽装2 埼玉工場と泉佐野工場は、シュークリームの生産ラインの保守・点検により生産が中止した場合に、相互補完のために補給することとしていた。
平成17年7月10日から11日の間、泉佐野工場は、社内基準を1日超える消費期限を表示したシュークリーム2種類約1万9千個を埼玉工場に製造補給していた。
一方、平成18年10月21日から23日の間、埼玉工場は社内基準を1日超える消費期限を表示したシュークリーム3種類約1万4千個を泉佐野工場に製造補給していた。
消費期限偽装3 昨年11月8日に消費期限切れ牛乳を使用したシュークリーム2000個を出荷していたことなどが判明したと発表した。
食品衛生 埼玉工場内でねずみが捕獲されたことも確認されており、2004年には1カ月で50匹が捕獲されたこともあるということも発表した。
経過 このことは、同年11月までに社内プロジェクトチームの調査によって判明していたが、不二家では「マスコミに知られたら雪印乳業(雪印集団食中毒事件)の二の舞になることは避けられない」と 隠蔽(いんぺい)を指示する内部文書を配布するなどして、自らは公表しなかった。結局このことは、洋菓子需要の繁忙期であるクリスマス商戦を乗り切った後の2007年1月10日に、 内部告発を受けた報道機関の手により公になリ、不二家の信頼を大きく傷つける事態になる。
適用法律 食品衛生法(厚生労働省)に基づく業務改善命令により、製造・販売の全面休止


ブランド米(大阪)-5月30日、(東京、千葉)-9月12日
産地偽装1 米卸売会社「日本ライス」(大阪府東大阪市)によるコメの産地・銘柄偽装事件で、府警生活環境課は5月30日、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で、府警本部に出頭した同社社長(47)の取り調べを始めた。元幹部ら他の6人も事情聴取を行う予定で、容疑が固まり次第、7人とも逮捕する方針。また、同日中に同社や自宅など数カ所を家宅捜索した。
これまでの任意の事情聴取に対し、社長は「元工場長が独断で混入させた」などと関与を否定。しかし、元工場長や他の複数の社員らは「社長の指示で他の品種の米を混ぜた」などと、社長らが主導したことを供述をしているという。
調べなどによると、社長や元幹部らは昨年夏までの数カ月間、「福井県産コシヒカリ」などの国産ブランド米に、安い品種の米を大量に混ぜて「福井県産100%」などと表示した袋に入れ、京阪神の複数の小売店に、販売した疑いが持たれている。さらに逮捕された元従業員は府警の調べに、「秋田県産あきたこまち 100%」や「北海道産きらら397 100%」 に、中国米を多いときで全体の3割ほど混入したと話したという。
いつも同じ米屋から米を買っている中華料理屋のマスターに「あんたんとこの米、おかしないか?」と尋ねられたのが事件発覚のきっかけになっていた。炊き具合が全然違っていた事に気がついたのだ。

すでに同社は、昨年、米の産地・銘柄偽装で大阪府警の取り調べを受けていた。このような産地・銘柄偽装が常態化していた疑いが極めて強い。
2006年9月19日(火)
同社は新潟県産コシヒカリなどのブランド米にも、格下の米古米などを混ぜたほか、安売り用の米にも加工食品や家畜用の「くず米」を混ぜ、小売店に卸売りしていたことも判明している。
大阪府東大阪市の米卸売会社「日本ライス」が銘柄を偽ってコメを販売していた疑いが強まったとして、大阪府警が不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で同社を捜索していたことが18日分かった。府警は同社が会社ぐるみで表示を偽っていた可能性もあるとみて、経営陣の立件を視野に入れて調べている。
産地偽装2 ブランド米に別の米を混ぜて産地を偽装したり、ブレンド米古い米を混ぜて精米日を偽装したとして農水省は9月12日、東京都世田谷区の米穀店「千歳屋商店」と千葉県習志野市の米流通業「丸広米穀」の2業者に対し、日本農林規格(JAS)法に基づく改善命令を行った。
両業者は過去に偽装が発覚し、それぞれ知事から改善の指示を受けていたが、一切無視して不正を続けていた。
千歳屋商店は、新潟県魚沼産コシヒカリなどと表示した精米に、他県産のコシヒカリひとめぼれを混ぜ、今年4月までの5カ月余りの間に約12トンを販売した。魚沼産コシヒカリは10キロ7000円程度の値がつく高級ブランド米
丸広米穀はブレンド米に割れた粗悪米を混ぜたうえ、精米日を偽装し、今年6月までの1年間に約3200トンを出荷。この米は関東圏のディスカウントショップなどで、10キロ1600~2500円程度で販売された。
行政の対応 新潟産こしひかりの販売量が、生産量よりも多いことから銘柄・産地偽装が行われていることはかなり以前から指摘されていた。また「新潟産こしひかり」と表示されていても「100%」と表記されていない限り、他産地の米がブレンドされていると見てほぼ間違いない。
頻発する銘柄・産地偽装の事態を受け、農水省は10月から全国の米小売り3000業者を対象に、DNA分析でブレンド米などの品種判別調査を実施することにした。
適用法律 不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で、家宅捜索逮捕
日本農林規格(JAS)法に基づく改善命令


ミートホープ(北海道)-2007年6月20日
食肉偽装 2007年6月20日、北海道加ト吉(加ト吉の連結子会社)が製造した「COOP牛肉コロッケ」から豚肉が検出されたことが報道されたことから問題が発覚する。
田中容疑者は昨年5月から今年6月までの間、道内の食品加工会社など十数社に、豚、鶏、羊、鴨などを混ぜた牛ひき肉約138トンを「牛100%」と偽って出荷
田中容疑者らは偽装が発覚した今年6月までの1年間で14回にわたり、冷凍食品会社「北海道加ト吉」(赤平市)など取引先3社に対し豚肉や鶏肉などを混ぜた偽装牛ミンチを「牛100%」と偽って出荷し、計約3900万円の利益を上げた疑い。色が不自然にならないように肉を通常より細かく切断する「二度びき」も行っていた。
さらには、色の悪い肉牛の血液を混ぜて色を変えたり、消費期限が切れたものをラベルを変えて出荷したり、腐りかけて悪臭を放っている肉を細切れにして少しずつ混ぜたり、鳥インフルエンザが流行した際に値段が下落した輸入 鴨肉を大量に購入して混ぜたり、様々な不正行為を長年に渡って行っていたことが発覚した。 牛肉以外にも、ブラジルから輸入した鶏肉を国産の鶏肉と偽って自衛隊などに販売していたことも発覚しており、儲けるためにはなりふり構わず、常識ではとても考えられないような悪の限りを尽くしている。
経過 記者会見で当初社長の田中稔は否定していたが、元社員らが社長自ら指示し関与しているとの報道がされると取締役である社長の長男に促され、記者会見で自らが指示をして、関与していたことを認めた。会社は、製造・販売は全面休止され、その後従業員は全員解雇され、自己破産に至る。
適用法律 詐欺不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪で家宅捜索を受け、同社元社長の田中稔容疑者(69)社長は、逮捕起訴された。


白い恋人(北海道)-2007年8月14日
賞味期限偽装1 北海道を代表するお土産品の菓子「白い恋人」の製造元、石屋製菓(札幌市、石水勲社長)が、「白い恋人」の一部商品で11年前から賞味期限を改ざんしていたことが14日分かる。
「白い恋人」はチョコレートで、北海道に旅行した人がお土産に買って行くくらい人気のある商品。
問題の製品はいずれも札幌市内の宮の沢本社工場で製造。同社によると、「白い恋人」の「30周年キャンペーン限定商品」(28枚入り×2缶)の在庫を処分するため、特別な包装から通常に戻す際に、本来の賞味期限の記載より1ヶ月長く表記したと、担当取締役が指示したことを認める。
賞味期限偽装2 別の5商品でも返品された商品の賞味期限を改ざんしたり、あらかじめ設定した期限を偽装したりして出荷していたことが社内調査の結果で明らかにされた。 改ざん・偽装していたのはミルフィーユ菓子の「美冬」やチョコレート、クッキー、パイ菓子などの5商品。
これら5商品の偽装方法は、バレンタインデーが終わって返品された商品を今年(07年)4月に、賞味期限を約2ヶ月延長して包装をしなおして、再出荷いた。
オレンジコンフィ」260個と「鳴子パイ」253個も包装しなおして再出荷。「美冬」は06年5月に、ダンボール250箱分について、社内規定から45日後と決められた賞味期限を10日ほど延ばしていました。
食品衛生

また6月から7月にかけてアイスの一部分から大腸菌群バームクーヘンの一部商品から黄色ブドウ球菌を自主検査で検出。
店頭回収は始めたが販売済み商品は公表せず、消費者からも回収しなかったという。札幌市保険所によると、8月上旬に関係者から、同社がアイスから大腸菌群が検出されたことを公表しないまま製品の回収・廃棄を進めているとの通報があったと報告している。

適用法律 日本農林規格(JAS)法に基づいて2度目の立ち入り調査し、再発防止の指示が出された。


うなぎ(宮崎)-2007年9月14日
産地偽装 宮崎県の業者が台湾から輸入したウナギを国内産に偽装していた疑いがある問題で、宮崎県の東国原英夫知事は25日の県議会で「農水省と合同の立ち入り検査で一部業者に、偽装が確認された」と明らかにした。
産地偽装ウナギはかば焼きに加工され、関東圏などのスーパーでも販売されていたとみられ、農水省は引き続き販売ルートを追跡調査し、流通業界がどこまで偽装を認識していたか調べる。
県によると、業者は宮崎市の原田穂積商店(原田美千子社長)と石橋淡水(石橋不二子社長)。台湾から輸入した成魚を国産に混ぜ、産地証明を偽造するなどの手口で、かば焼き加工業者に販売していた。
地元関係者によると、国産と台湾産などは出荷段階で1キロあたり300~400円の価格差があり、台湾産などの成魚を国内産で流通させると多大な利益を生むという。宮崎県は国内産ウナギの産地として急伸しており、全国シェア第3位。
経過 これらは福岡、鹿児島両県の加工業者に出荷され、宮崎産をPRする東国原知事の似顔絵シールが張られていた。知事は「県産品の販売促進のため使ってもらっていたが、今後はより厳重にチェックしてもらう」と述べた。
適用法律 日本農林規格(JAS)法は業者間取引を規定していないため、県は近く偽装していた卸売り2社に行政指導を行う。





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