後を絶たない食品偽装(2)

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名古屋コーチン(愛知)-2007年10月1日
ブランド偽装 愛知県特産の地鶏「名古屋コーチン」として販売されている鶏肉のうち、約2割に本来の名古屋コーチンではない肉が含まれていることが、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の調査で分かった。名古屋コーチンはコクのある味わいで有名な高級ブランドだけに、このブランド偽装は、消費者にも波紋を呼びそうだ。
今回の調査では、純系名古屋コーチンと称して販売されている生肉や、原材料として名古屋コーチンだけを表示している加工品など計90点を、小売店や飲食店、インターネット通販などで入手。簡易DNA検査を実施した結果、全体の21%で名古屋コーチン以外の鶏肉が検出された。加工品に限定すれば、3割以上に偽物が含まれていた。
純系名古屋コーチンは、愛知県畜産総合センター種鶏場で生産された種鶏から生まれたヒナを、名古屋コーチン普及協会の会員業者が名古屋市周辺で育成した鶏に与えられる登録商標。正式な品種名は「名古屋種」で、明治28年に日本家禽学会から品種として公認されたという歴史を持つ。コクのある味わいや弾力性のある肉質で知られ、市場での取引価格も高い。
しかし、かねてから純系名古屋コーチンの条件を満たさない国内外の鶏肉が名古屋コーチンとして販売したり、飲食店で「名古屋コーチン使用」などとうたうケースも指摘されてきた。名古屋コーチン普及協会は偽物防止のために、正式な純系名古屋コーチンには登録商標シールを張り、飲食店には会員証・取扱店証を提示するなどの対策を取っている。
通常の地鶏は、在来種の血液比率が50%以上あれば正式なものとして認められるが、名古屋コーチンは血液比率100%を条件としているためDNA検査による特定が行いやすい。
適用法律 ブランド偽装して製造・販売している企業がまだ特定されていないので、どのような法律が適用されるか分からない。


そうめん(兵庫)-2007年10月10日
産地偽装 大手食品メーカー「エバラ食品工業」(横浜市西区)の調味料の賞味期限が改竄された不正競争防止法違反事件で逮捕された食品会社社長らが、中国産のそうめんを「三輪そうめん」などと偽って出荷しようとしたとして、兵庫県警生活経済課と長田署などは10日、同法違反容疑で社長ら2人を再逮捕、新たに卸売業の男1人を逮捕した。
再逮捕されたのは、大阪市淀川区の食品関係会社「ライスグローサリータカハシ」社長、高橋浩幸(47)と、大阪府貝塚市の元食品関係会社社長、直本治郎(61)の両被告=いずれも同法違反罪で起訴。新たに逮捕されたのは、貝塚市の卸売業、加藤弘行容疑者(46)。
調べでは、高橋容疑者らは今年5月から9月にかけて、中国から輸入した中国産のそうめん約3000箱を、奈良県産の「三輪そうめん」などと日本産と偽った印刷をした袋に詰めて大阪府内の倉庫に保管、産地を偽装して販売しようとした疑い。不正競争防止法違反容疑で逮捕された会社社長らが輸入し産地を偽装したそうめんは約27万箱で、ほとんどを売りさばいていたことが10日、兵庫県警生活経済課などの調べで分かった。
調べでは、高橋容疑者らは1箱170円で輸入したそうめんを260円から300円で卸していた。ほかにも高橋容疑者が経営する店で直接販売するなどして不正に利益を得ていたとみられる。 同容疑者らは産地を偽装したそうめんをインターネットなどでも販売。購入した消費者からは「味がおかしい」と苦情が出ていたという
適用法律 不正競争防止法の違反で、社長ら3人を逮捕・起訴された。


赤福(三重)-2007年10月16日
製造日偽装

伊勢土産として長年親しまれている「赤福餅」で、製造日偽装が発覚した。今年創業300年を迎えた老舗食品会社の行為に、消費者はまたかと嘆き、信頼が裏切られた思いだ。
製造年月日、消費期限を表示した「赤福餅」のうち配送して残ったり、余分に製造した商品を冷凍保存していた。冷凍の期間は社内規定で最大二週間と定めていたという。
その冷凍された「赤福餅」を必要に応じて「まき直し」と称して解凍して再包装して、その日付を新たな製造日として表示し直して出荷する行為を、長期にわたり日常的に行っていた。1973年からこの出荷方法を行っていて、34年間もの長期にわたり出荷調整を続けていた。
同社は2004年9月から今年8月末まで、少なくとも総出荷量の18%に当たる約605万箱をこうした方法で出荷していた。

原材料表示偽装 また、原材料表示については重量順に「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを、「小豆、もち米、砂糖」と表示していた。実際には、原材料の中で砂糖の量が一番多かったのに、表示では小豆が一番多いと表示され、砂糖は一番少ないと原材料の偽装表示していた。
適用法律 農林水産省は十二日、日本農林規格(JAS)法違反に当たるとして、同社に対しすべての商品の点検、原因究明、再発防止策の実施などを求める行政指導を行った。
名古屋市からは、食品衛生法違反にあたるとして、無期限の営業禁止処分を受けた。


比内地鶏(秋田)-2007年10月20日
ブランド偽装 秋田県県大館市の食肉加工・製造会社「比内鶏」(藤原誠一社長、従業員16人)が 、地元特産の「比内地鶏」を使ったとして製造、販売した肉と卵の薫製について、比内地鶏を 使っていなかったが明らかになった。
県の聴取に対し、藤原社長は「薫製の肉と卵には比内地鶏を全く使っていなかった」などと、10年以上前からブランド偽装していたことを認めているという。県は今後、販売経路や出荷量などを 調べる。
製品の外装は「秋田県産比内地鶏くんせい」となっているが、偽表示だった。同社は17日から製造を中止し、製品回収を始めた。偽装発覚を受け県は公正取引委員会と協議のうえ、処分を検討する。
同社は年間売上が3億数千万円で従業員16人。スーパーなどに鶏製品を出荷している。民間の信用調査会社によると、同社は各地に出荷しており、今年3月期の売上高は約4億円。 同社は、17日に商品の製造を中止し、回収を行っている。
比内地鶏は、名古屋コーチン(愛知県)、薩摩地鶏(鹿児島県)と並び日本三大地鶏の一つとして知られている。
適用法律 景品表示法日本農林規格(JAS)法に基づく立ち入り調査を実施した。


地鶏(宮崎)-2007年10月24日
ブランド偽装 老舗百貨店の山形屋(本店・鹿児島市)が自社のホームページ(HP)で、本来は「」と書くべき宮崎県産ブロイラーの炭火焼き商品を「地鶏」と表示して掲載し、ブランド偽装してネット販売していたことが24日分かった。
山形屋は宮崎市などにも店舗を構え、創業から250年以上の老舗。岩元修士社長らが同日夜、本店で記者会見し「故意や偽装ではなく、入力とその後のチェックのミスだった」と釈明した。
山形屋などによると、HPで「地鶏」と表示されていたのは、ビニールで真空パックした「鶏炭火焼」で、東国原英夫知事の法被姿のイラストがプリントされている。宮崎市の業者が開発した。
3-8月に、冷や汁などと詰め合わせた二セットをHPのオンラインショップなどに「地鶏炭火焼」の名称を使い掲載。価格は税込みでそれぞれ3675円と2940円だった。購入者は44都道府県の260人で、約123万円を売り上げた。一カ月以上かけて客に謝罪し、返金したという。
この商品は、知事が公務で県外出張する際に“お土産”として持参してPRに力を入れており、話題を呼んでいた。知事は「具体的な内容は知らず、何ともコメントしようがない」と話している。

<メモ>宮崎地鶏 日本農林規格(JAS)上の「地鶏」は在来種の血が50%以上であることなどが必要だが、販売時の表示に明確な基準はない。一般には宮崎県産で地面の上で放し飼いされているものを指す。天然記念物「地頭鶏」を基に交配を重ねて改良。特産品ブランド「みやざき地頭鶏」として知られる。柔らかく、ジューシーながら歯応えがあり人気。
適用法律 商品そのものの原材料名表示などに偽装や誤りはないが、公正取引委員会はHPの記載が景品表示法の不当表示に当たるとして調査、山形屋に近く警告する。


船場吉兆(大阪)-2007年10月29日
消費期限偽装 福岡市の百貨店「岩田屋」で、「船場吉兆」は期限切れの菓子や総菜を売っていた。菓子類では、福岡市の百貨店「岩田屋」の「船場吉兆天神フードパーク」で販売した「栗の甘煮」など7商品が5~117日賞味期限を超過「桜ゼリー」など5商品で1~17日間の消費期限超過が判明。いずれも、消費・賞味期限のラベルを張り替えて消費期限を偽装していた。このうち計7商品では、着色料や食品添加物を記載していないなど原材料の表示にも問題があった。
福岡市が、同市中央区天神の岩田屋の「船場吉兆フードパーク」において「表示を偽装して販売している」との匿名通報を受けたのは9月11日。同市の聞き取りに対して、船場吉兆は便宜的なラベルの張り替えを認めたものの、期限切れ販売は否定した。しかし、10月に入って再び通報があったことから、市は同社の帳簿類を精査。菓子6品目で期限後の表示張り替え販売を確認し、10月28日に発表した。
市は当初、なぜ不正を見抜けなかったのか。市食品安全推進課は「通常は話を聞けば違反実態が大体分かるが、今回は帳簿まで調べないと分からない悪質なケースで、想定外だった。とはいえ、調査に不十分な面はあったかもしれない」と詰めの甘さを認める。
「吉兆」は新喜楽、金田中と並ぶ日本三大料亭の一つといわれる。日本料理の料理人で初めて文化功労者に選ばれた故湯木貞一氏が大阪で創業した。そのグループ会社の「船場吉兆」が格式ある暖簾(のれん)を汚してしまった
ブランド偽装 さらに大阪の本店では、「ブランド偽装」が明るみに出た。佐賀や鹿児島産の牛肉のみそ漬けを「但馬牛」と表示していた。阪急百貨店を通じて販売した商品も「三田牛」と偽っていた。消費者軽視もはなはだしい
ブランド偽装は鶏肉加工品にもあり、「地鶏」は実は「ブロイラー」だった。船場吉兆側は、「うちは地鶏と思っていた。裏切られた」といているが、鶏肉納入業者はブロイラー専業であり、、「最高品質の鶏肉を出荷してきたが、一度も地鶏と言ったことはない」と真っ向から対立している。
適用法律 農水省は、日本農林規格(JAS)法に基づき、食品の品質を適正に表示するよう船場吉兆に改善を指示。12月10日までの報告を求めた。


御福餅(三重)-2007年10月30日
製造日偽装 立ち入り検査は、御福餅本家から御福餅の「日付や原材料表示の件で話さなければならないことがある」との連絡を受け、29日午後7時ごろから深夜にかけて実施された。食品衛生法とJAS(日本農林規格)法の両法に違反していることが明らかになる。
また農水省などの先月末の立ち入り調査で、改ざんが1980年から行われ、ことし9月末までの1年間では、総出荷量の少なくとも約83%に当たる約93万箱で製造日偽装があったことが判明。
御福餅本家が製造する「御福餅」は、もちの上に波をかたどったあんを乗せた和菓子。赤福餅の製造年月日の偽装が発覚し、12日に赤福が販売を中止してから、同じ伊勢名産でパッケージのよく似た御福餅に人気が集まった。
御福餅本家は明治16年創業。伊勢神宮の街道筋に茶店を開店したのが始まりで、参拝客をもてなしてきた。伊勢市などに店舗を構える。資本金は300万円で、2006年9月期決算での売り上げは4億9800万円。
適用法律 農水省と三重県は5日、日本農林規格(JAS)法食品衛生法に違反するとして、それぞれ同社に対し改善報告などを求めた。


うなぎ(静岡)-2007年11月8日
産地偽装

「山政」は05年5月ごろから、「マルニうなぎ加工」は01年ごろから、台湾産ウナギを使って製造したウナギ加工品の原材料原産地を国内産産地を偽装して表記。05年11月から今年7月末までの間、それぞれ約99トンを国内産と偽って販売していた。
また、山政は、産地の区別がつかない約39トンのかば焼きをすべて国内産と表示し、自社名で一般消費者向けに販売していたという。
両社はそれぞれ年間200トン以上を生産し、県内や首都圏などに出荷している。

適用法律 静岡県は8日までに、一般消費者向けにも販売していたため、日本農林規格(JAS)法などに基づき、同県吉田町のウナギ加工販売会社「山政(やままさ)」(久保田政明社長)に改善指示を、同町のウナギ加工会社「マルニうなぎ加工」(大石好一社長)に厳重注意をした。




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